矯正歯科では、ブラケットやワイヤー、咬合など、さまざまな用語が頻繁に使われます。
治療を受ける際にこれらの用語を理解していると、不安を軽減するのに役立ちます。また、歯科医師とのコミュニケーションも円滑になり、受診時のストレスが軽減されます。
以下には、矯正歯科でよく使われる用語や器具の役割について、時系列で解説します。

検査段階でよく使われる用語

歯列矯正の検査段階では、口腔内写真やレントゲン撮影が行われます。歯医者は歯並びや骨格から情報を得て、適切な矯正方法を提案します。以下は検査段階でよく使われる用語です。

セファロ（頭部X線企画写真）

矯正歯科用のX線で、顔の骨格を調査するために使用されます。治療前後や治療中に撮影され、問題の特定に役立ちます。

咬合（こうごう）

かみ合わせのことで、歯並びや顎の形、上下の顎の前後関係などが影響します。

印象（型取り）

歯型を取るプロセスで、通常はアルジネートと呼ばれる印象材を使用します。

治療の段階でよく使われる用語

矯正治療にはさまざまな方法があります。以下は主な治療方法に関連する用語です。

ワイヤー矯正

ブラケットと呼ばれる装置を歯に取り付け、ワイヤーを通して歯に力をかけて動かすスタンダードな方法。

裏側（リンガル）矯正

歯の裏側にブラケットを取り付ける方法で、目立ちにくいメリットがあります。

ハーフリンガル矯正

上の歯は裏側、下の歯は表側に矯正装置を取り付ける方法。

マウスピース矯正

薄いプラスチック製のマウスピースを一定時間装着して歯を動かす方法。

部分矯正

歯を1本単位で矯正する方法で、全体の矯正よりも負担が少ない。

床矯正

小児矯正で使われ、取り外し可能な床矯正装置を利用して行われます。

ワイヤー矯正で主に使用する装置

ワイヤー矯正に関連する主な器具について以下に述べます。

ブラケット

歯に取り付けられる矯正装置で、ブラケットベース、ブラケットスロット、ブラケットシャフトなどの部分から構成されます。

アーチワイヤー

ブラケットスロットにはめこまれ、歯列全体に通されるワイヤー。

結紮線（けっさつせん）

ブラケットとアーチワイヤーをとめるための細い針金または小さなゴム。

保定の段階でよく使われる用語

矯正後に歯の後戻りを防ぐために行われる保定に関する用語です。

後戻り

矯正治療後に歯が元の位置に戻ること。

リテーナー

保定に使用される装置で、様々な形状や材料があります。

基本的な歯科用語

歯科全般で使用される基本的な用語について以下に述べます。

中切歯（ちゅうせっし）

顔の真ん中で1番に位置する前歯。

則切歯（そくせっし）

2番目に位置する前歯。

犬歯（けんし）

3番目の歯で、前歯に該当します。

小臼歯（しょうきゅうし）

4～5番目の歯。

大臼歯（だいきゅうし）

6～8番目の歯で、8番は親知らず。

これらの用語を理解しておくと、歯科医院での受診がスムーズになり、治療に対する不安も軽減されるでしょう。