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オーラルケアの正しい方法とは?便利なケアグッズの紹介

2023年01月30日


口腔ケアアイテムに期待できる効果

みなさんはブラッシングの際、どのような口腔ケアアイテムを使用していますか?
複数のアイテムを併用することで、舌や歯茎など口腔内全体を清潔な状態でキープできます。
口腔トラブルだけでなく、口臭や着色汚れの予防にもつながるでしょう。また使い方次第で、ウイルスの感染予防にも効果的だといわれています。
詳細は記事の中でお話ししますので、ご覧になった上で正しい口腔ケアをぜひ実践してください。

おすすめのアイテム

口腔ケアアイテムは多岐にわたるので、その中から用途に合った製品を選ぶことが大切です。
どのようなアイテムがあるのか、1つずつ特徴を解説します。

1.歯ブラシ
いろいろなタイプの製品がありますが、バランスよく力をかけたい人には、毛先が真っ直ぐにカットされた製品がおすすめです。
歯列の関係で歯間が磨きにくいと感じたときは、山型や超極細毛の製品を選びましょう。
毛の硬さは、基本的に「やわらかめ」「ふつう」「かため」の3種類があります。安易に毛先の硬いものを使うと、歯茎を傷付ける可能性があるので気を付けましょう。特にこだわりがなければ「ふつう~やわらかめ」を選ぶのがおすすめですが、磨き方を誤ると汚れを落とせない可能性があるので注意しましょう。

2.歯間ブラシ・デンタルフロス
歯間や歯周ポケット付近など、汚れをうまく落とせない部分に重宝するアイテムです。

2-1.歯間ブラシ
小さなブラシのような見た目をしており、歯間の汚れを落とすときに力を発揮します。
前歯にはI字タイプ、奥歯にはL字タイプの製品を用いるのがおすすめです。
3S~Mサイズなどサイズ展開も豊富なので、ご自身の歯の大きさや使いたい部分に適した製品を選びましょう。

2-2.デンタルフロス
前項同様、歯間の汚れを除去する際に有効なアイテムです。糸状の繊維を歯間へスライドさせて、プラークや食物残渣を取り除きます。
色々なタイプがあるので、ご自身に合ったものをチョイスしましょう。

3.タフトブラシ
毛束が一つのヘッドになったアイテムです。小回りが利くので、歯ブラシではうまく磨けない部分の清掃に重宝します。
歯間や歯周ポケット付近の清掃には山型、歯周ポケット内部の汚れを取り除くときには平型が効果を発揮するでしょう。

4.洗口液(マウスウォッシュ)・液体歯磨き(デンタルリンス)
ブラシ類だけでなく、液体も口腔ケアに効果的です。
大きく分けると洗口液と液体歯磨きの2種類があるので、用途に合わせて使用しましょう。
前者は、口に含んですすぐだけで使えるアイテムです。
後者は歯磨き粉として使用するアイテムなので、すすいだあとは普段通り歯を磨いてください。
研磨材が入っていないので、口腔内を傷付けることなくケアできるのが一番の利点といえるでしょう。

 

口腔ケアの正しい手順

今回は特別に、全アイテムを用いた手入れの手順を説明します。
手順通りに行うと膨大な時間がかかるので、必要なアイテムのみ取り入れて効率的にキレイにしましょう。

1.歯ブラシで磨く
左右どちらからでも構わないので、上下の歯を順にゆっくりと磨いてください。磨き残しが生じないよう、丁寧に磨くのが大切なポイントです。
歯と歯茎の境目は、特にプラークが付着しがちなので注意してください。歯に対して45度に歯ブラシを当てて、細かく動かすのが汚れを落とすコツです。
不正歯列によって歯の重なっている部分がある場合は、縦へスライドして汚れを取り除きましょう。

2.タフトブラシで細部の汚れを落とす
親知らずや義歯の周り、歯と矯正装置の境目や歯間の汚れを取り除くときに使うのが効果的です。
鉛筆のように持って、汚れが気になる部分へ当てたら細かく動かしましょう。

3.デンタルフロスor歯間ブラシで歯間の汚れを取り除く
毛先が届きにくいところは、デンタルブラシor歯間ブラシでケアするのがおすすめです。
前者は歯に引っ掛けるようにして歯間へ入れ、上下へ数回スライドして歯の側面に付着した汚れを取り除きます。後者も歯間へ入れるまでは共通ですが、その後は前後へ何度かスライドして汚れを絡め取りましょう。

4.液体歯磨きや洗口液で口をすすぐ
液体歯磨きを口の中に入れたら、口腔内をすすいで吐き出しましょう。歯ブラシで普段通り手入れをすればOKです。
洗口液も同じように口をすすいだら、吐き出して終了です。先述した通り、洗口液ですすいだあとにブラッシングをする必要はありません。

 

まとめ

正しい口腔ケアを続けることが、口腔トラブルやウイルス感染の予防につながります。
今回紹介したアイテムをすべて取り入れるのではなく、ご自身にとって必要なものだけを厳選して使いましょう。合わないと感じたら中断し、新たな手入れの方法を模索してみてください。
手入れの方法や使用アイテムについて困ったことがあれば、かかりつけ医に相談するとよいですよ。

「舌のできもの」は何科の病院に行くべき?痛みがないときは要注意!

2023年01月20日


食事や会話のときに必要不可欠な「歯」は、美しい表情づくりに欠かせない存在です。
歯や口腔周りのことについて正しく理解し、QOLの向上に努めましょう。
今回は「舌のできもの」について詳しくお話しします。

 

舌に炎症が起こったら何科へ相談すべき?

舌に関するトラブルが起こった際も、歯科医院を受診しても構いません。
症状をチェックした上で、口内炎だと診断されれば抗炎症剤などが処方されます。状況によってはレーザー照射が行われることもあるでしょう。
薬の服用で症状が緩和されればよいのですが、稀に状態が悪化することがあります。
そのような場合は白板症や舌癌の可能性を疑い、血液検査や組織検査、CT検査やMRI検査などが行われる運びとなるでしょう。
考えただけで怖いと思った方もいるかもしれませんが、早期発見と治療がよい結果につながります。

 

口内炎の原因

原因は一つではありません。栄養不足や睡眠不足といった生活習慣の乱れ、喫煙習慣やストレスの蓄積などが考えられます。
義歯や矯正装置の接触、高温の飲食物を口にしたり舌を噛んだりしたときなど、外的刺激が原因になるケースも少なくありません。

 

自然治癒の可能性はある?

「アフタ性口内炎」であれば、自宅で様子を見ていれば1週間~10日程度でよくなるのが一般的です。
適切な口腔ケアで口の中をキレイにしたり、ビタミン類を積極的に摂取したりすることで早期の治癒が見込めることもあります。休息をとることも重要なポイントなので、十分な睡眠時間を確保してしっかりと休みましょう。

 

無痛のできものに注意!

痛みを伴わない、無痛の炎症には注意が必要です。
舌癌あるいは、癌の可能性がある白板症などの可能性があります。
中でも舌癌は、命に関わる病気の一つです。早めに診てもらい、適切な治療を受けることが必要不可欠です。

白板症
舌が厚みを増し、表面に白い斑点が現れてイボのようなしこりができます。
同時に舌の粘膜が赤みを帯びたり、表面にシワが入ったりすることもあるでしょう。食事のときに染みる場合も、注意が必要です。

舌癌
舌に、白い斑点を伴う硬いしこりが生じるのが特徴です。初期段階では無痛ですが、進行するにつれて激しい痛みが生じます。
舌のただれ、麻痺やしびれを併発している場合は危険なサインです。動きが悪くなり、日常生活において違和感を覚えるのも舌癌ならではの特徴です。
さらに、味覚障害や舌の表面のざらつきといった症状が出ることもあります。
1つでも心当たりがある方は、早急に歯科医院を受診しましょう。

 

注意すべき病気① 白板症

舌が厚みを増し、白いできものが生じます。癌になるリスクも潜んでいるため、早期発見と治療が必要です。

主な原因
栄養不足や喫煙習慣、むし歯の放置などが代表的な原因です。40代以上の男性が罹患しやすい傾向にあります。
合わない入れ歯や、金属製の補綴物による物理的刺激が関与している可能性も否めません。舌の粘膜に長期的な刺激を与えないよう注意しましょう。

罹患の可能性がある場合は?
白板症の可能性が疑われるときは、歯科もしくは口腔外科を早めに受診してください。
治療では、癌になるリスクを確認するための検査を行います。結果次第で、外科的手術による切除が必要になることもあるでしょう。
切除をすれば基本的に改善が見込めますが、再発を防ぐためには数か月おきの通院が必要です。

 

注意すべき病気② 舌癌

舌にできる悪性腫瘍で、進行して癌細胞が転移すると命を落とす可能性もある極めて恐ろしい病気です。

主な原因
むし歯や歯周病などの口腔トラブル、義歯や矯正装置による物理的刺激など、原因は多岐にわたります。
栄養不足や喫煙習慣、粘膜を噛むという悪習癖との関係が指摘されることもあります。
白板症と同様、40代を過ぎた男性が罹患しやすい傾向にあります。

 

早期受診が大切です!

舌癌の可能性がある場合は、すぐにでも医療機関を受診しましょう。症状に悩んでいる今この瞬間も、少しずつ進行して命を縮めているかもしれません。
一般的な治療の流れとしては、外科手術のあとに放射線治療や抗がん剤の投与を行います。場合によってはレーザー療法や温熱療法、免疫療法などを並行して行うこともあるでしょう。

 

症状が改善されないときは受診しましょう!

2週間ほど様子を見ても症状が改善されないときは、今回紹介した重篤な病気が隠れているかもしれません。
痛みを伴わないしこりや舌からの出血、味覚障害、麻痺やしびれを併発している場合は危険なサインです。
すぐに医療機関を受診し、きちんと検査を受けるようにしてください。
すでに症状が進行している場合は、外科手術が必要になる可能性もあります。特に舌癌は、命に関わる恐ろしい病気なので一刻を争います。
「痛みがないから…」
「きっとすぐ治るから…」
と放置せず、不安がある場合や改善傾向にないときは早めに医療機関を受診しましょう。

歯間ブラシとフロスどちらを使うべきですか?

2023年01月10日

「どれだけ時間をかけて歯を磨いても、定期的にむし歯になってしまう」
「普段通り磨いているはずなのに、最近歯茎から出血するようになった」
このような症状に心当たりはありませんか?
いずれかに該当する場合、口腔内にプラークや食物残渣が残っている可能性が考えられます。
歯ブラシと一緒に使うと効果的なアイテムを紹介するので、清潔な口腔状態を維持したい方はぜひ参考にしてください。

 

口腔ケアに有効なのは歯ブラシだけではない!

スーパーやドラッグストアの衛生用品コーナーを見ると、並んでいるのは歯ブラシや歯磨き粉だけではありませんよね。
デンタルフロスや歯間ブラシ、舌ブラシやマウスウォッシュなどさまざまな口腔ケアアイテムが陳列されています。
それだけ需要が高まっているということで、歯科医師である私も嬉しく思います。
歯ブラシ以外のアイテムを使えていないという方は、各製品の特徴を知った上で日々の口腔ケアに取り入れましょう!
まずは、プラークの除去に効果的なアイテムを2点紹介します。

 

1.歯間ブラシ

ストレートタイプと呼ばれる「I字型」と、奥歯に適した「L字型」の2種類が存在します。ゴムやワイヤーなど材質もまちまちなので、使いやすそうなものを選びましょう。
歯間の幅に合っており、無理なく入れられる製品を選ぶのがおすすめです。

基本の使い方
① 歯間へブラシを挿し込み、歯茎付近までゆっくりとスライドする。
② 歯間へブラシを沿わせた状態で、前後へ2~3回スライドする。
※内側からも行うと清掃性がアップします!
③ 徐々に向きを変えて、隣接した歯それぞれに付着したプラークや食物残渣を取り除く。
使うとより効果的な場所
・歯肉が下がって歯根が剥き出しになった部分
・歯と歯の接触点から歯肉側
・ブリッジの内側およびポンティック(ブリッジに用いられる人工歯)の下部

 

2.デンタルフロス(糸ようじ)

先端に糸状の繊維が付いたタイプと、糸状の繊維がミシン糸のように巻かれたタイプの2種類があります。
使い方
① 前後へスライドしながら、歯と歯の間へフロスを挿し込む。
※勢いよく入れると歯茎が傷付くので注意!
② 歯茎付近まで動かしたら、両側面にそれぞれ沿わせて上下左右にスライドする。
③ プラークや食物残渣を取り除けたら、前後へスライドしながら引き抜く。
④ 歯の裏側などに付着した汚れを、フロスの反対側に付いているピックや爪楊枝などを用いて掻き出す。
使うとより効果的な場所
・歯同士の接触点から歯肉側
・歯周ポケット内
・ブリッジの内側およびポンティックの下部

 

結局どちらを使うのがよい?

いずれもプラークの除去に効果的で、歯ブラシでは磨ききれない部分へアプローチできるというメリットを持ち合わせています。
しかし使い方や使用に適した部分はそれぞれ異なるので、患者さまに合ったアイテムを選んでいただくのが一番です。使い方を誤ると歯肉にダメージを与えたり、必要以上に時間がかかって使わなくなったりする恐れもあります。
当院を含め、ほとんどの歯科医院では患者さまに対してブラッシング指導を行っています。磨き方だけでなく、患者さま一人ひとりに合った口腔ケアアイテムのご提案を行っています。
アイテム選びに困ったときや不明点が生じた際は、かかりつけ医へ気軽に相談しましょう。
例えば歯間ブラシ一つとっても、歯ブラシと同じく幅広いサイズ展開がなされています。4S~Lと多くのサイズがある上に、太さも異なるので選ぶのが難しいはずです。
合わない製品を用いると、歯肉にダメージを与えて歯肉退縮につながる恐れがあるので気を付けましょう。
わからないことがあれば、自己判断をせずかかりつけ医に相談するのがベストです。

キシリトールにはどんな効果がある?

2022年12月30日

ドラッグストアやコンビニで目にすることの多い「キシリトール入りの製品」。これまではガムが主流でしたが、近年はタブレットや飴など幅広い製品が市販されています。
そこで今回は、キシリトールの正体や期待できる効果などを解説します。ぜひ参考にしてくださいね!

 

気になる正体とは?

キシリトールは糖アルコールの一種であり、いわば「天然の甘味料」。かつてはシラカバやカシの木から抽出される「ヘミセルロース」と呼ばれる糖分から作られていました。
現在はトウモロコシの芯やシラカバから作られるのが一般的で、むし歯の予防効果が実証された甘味料として市場に流通しています。
清涼感のある爽やかな甘さが特徴である一方、カロリーはなんと砂糖の約4分の3程度。お子さま向けの製品も市販されています。

 

健康に害はある?

キシリトールは10年以上前から、点滴に含まれる炭水化物として用いられている物質です。その安全性が評価され、1997年には厚生労働省から「食品添加物」として認可を受けています。
積極的に取り入れて構いませんが、糖アルコールには小腸で吸収されにくいという難点があります。一度に大量摂取すると、お腹を下す可能性があるので注意してください。もしお腹の調子が悪くなったとしても、一時的なものなので、基本的には様子を見ておけば問題ありません。
規定量を摂取し、口腔内の健康維持に努めましょう。

 

取り入れるメリットとは?

正しく摂取することで、次の3つのメリットが得られます。

 

1.爽快感を得られる
キシリトールを口にすると、スーッとした清涼感が得られますよね。これはキシリトールに、熱を奪うという性質があるためです。ミントのフレーバーが加わった製品であれば、清涼感がより際立つでしょう。
また先述した通り、甘みがあるのも大きな特徴です。砂糖と違って血糖値が急上昇する心配はないので、糖尿病の方も安心して摂取してくださいね(不安な場合は主治医に相談しましょう)。

 

2.むし歯予防を手助けしてくれる
キシリトールにむし歯の予防効果が見込める理由は、次の3点です。
①カルシウムと結合して再石灰化を促すため
②むし歯の原因となりうる酸が産生されないため
③むし歯菌の働きを抑えるため
歯を覆っているエナメル質は、むし歯菌が産生する酸に触れて脱灰が起こると、少しずつ溶けていきます。しかし唾液の作用で再石灰化が行なわれると、徐々に修復される仕組みです。ごく初期段階のむし歯であれば、その繰り返しによって自然治癒が見込めるでしょう。
再石灰化を促進する役割を果たすため、むし歯の予防効果が期待できるのです。

 

3.唾液の分泌を促進する
キシリトールは甘味料であることから、唾液の分泌を促す効果が期待できます。
十分な量の唾液が分泌されれば、口の中を洗い流して口腔トラブルから身を守ってくれるでしょう。
ガムの場合は「噛む」という動作によって唾液分泌が促されることもあります。

 

期待できるむし歯の予防効果とは?

キシリトールの最大の魅力は「甘味料でありながらも、むし歯の予防効果に一役買ってくれる」という点です。
通常は口の中に常在しているミュータンス菌(むし歯菌の一種)が、食べ物に含まれる糖分をエサにして酸を産生します。
細菌が繁殖すると口の中が中性から酸性に傾いて、エナメル質が徐々に蝕まれていくでしょう。その結果、むし歯になってしまいます。
しかしキシリトールに含まれている甘味が、ミュータンス菌によって取り出されることはありません。酸を産生できず、分泌された唾液の作用によって口腔内を中性へと戻せるわけです。

 

キシリトールが配合されていれば、何を口にしてもよい?

実はキシリトールは、ホウレン草やカリフラワー、イチゴといった食品にも含まれています。しかし含有量が低いため、むし歯予防に有効であるとはいえません。
むし歯予防を目的とするならば、キシリトールが配合されたタブレットやガムを噛むのがおすすめです。
中には砂糖が含まれている製品もあるので、購入前にパッケージをよくチェックしましょう。
「どの製品を選べばいいかわからない…」
という方は、歯科医院に相談するのも一つの方法です。
歯科医院で取り扱っているタブレットやガムは、市販の製品よりもキシリトールの含有量が多い傾向にあります。きっとよいアドバイスを受けられるのではないでしょうか。

 

自分で選ぶときのチェックポイント

ドラッグストアなどで製品を選ぶときは、次の項目をチェックしましょう!
①キシリトールの含有量
100%に近ければ近いほどむし歯の予防効果が期待できます。
②ショ糖の有無
むし歯の原因となりうるため、ショ糖が含まれていない製品を選ぶのが理想です。
③酸の有無
柑橘系の香料が多く含まれた製品は、極力避けましょう。

 

摂取すべきタイミングとは?

キシリトールは、食後や間食のあとに摂取するのが理想です。毎日摂るのが効果的で、回数は多ければ多いに越したことはありません。
むし歯になりやすい方は特に、摂取を習慣化することをおすすめします。
まとめ
キシリトールには、さまざまな理由から虫歯の予防効果が期待できます。
食事や間食のあとは、積極的にタブレットやガムを取り入れましょう。成分をよくチェックし、砂糖が含まれていない製品を選ぶのがポイントです。
製品選びなどで困ったときは、かかりつけ医へ相談しましょう。
ナディアパークデンタルクリニックでも相談を承っていますので、何かあればお気軽にご来院くださいね。

歯磨き剤にはどんな効果があるの?

2022年12月20日

「歯磨き粉」と一口に言っても、ドラッグストアに行くとさまざまな製品が陳列されています。
プラークや着色汚れの除去、歯茎の炎症を抑える効果などが期待できますが、何に特化しているのかは製品によって異なります。
目的に合った成分が配合された製品を選んで、清掃効果を最大限まで高めましょう。

 

歯磨き粉に期待できる効果

普段何気なく使用している方も多いであろう「歯磨き粉」には、次の効果が期待できます。

1.プラークを取り除く
口腔トラブルのもとになるプラークを、効率的に取り除けるよう手助けをしてくれます。

2.ブラッシング後の歯にプラークをつきにくくする
ブラッシング後の歯に、プラークが付着しにくい状態を実現します。

3.口のイヤなニオイを防ぐ
口腔内を適切な方法で清潔にすれば、口臭の予防効果も期待できます。

4.歯の再石灰化を促す
飲み食いによって酸性に傾いた口腔内を、中性に戻す働きがあります。再石灰化を促し、むし歯予防に一役買ってくれるでしょう。

5.着色汚れを取り除いて自然な白さをキープする
コーヒーやカレーなどの飲食物による着色汚れを除去し、本来の自然な色をキープすることを手助けしてくれます。

 

歯磨き粉に含まれている成分

基本成分に、薬用成分が配合されているのが一般的です。具体的にどのような成分が含まれているのか、1つずつ紹介します。

1.研磨剤
大半の製品に研磨材が含まれており、歯の表面に付着した着色汚れやプラークなどを効率よく落としてくれます。なめらかでツルツルとした表面に仕上がるでしょう。
ただ使いすぎてしまうと、知覚過敏の原因になるため気を付けてくださいね。

2.発泡剤
口腔内で、歯磨き粉を泡立てる役割を果たします。泡で汚れ落ちがよくなる一方で、歯の状態を視認しにくくなって磨き残しが生じやすくなるという難点を抱えています。泡自体が汚れを落とすわけではないことを理解し、丁寧にブラッシングしましょう。

3.香味料
フルーツやミントといった香りで、ブラッシング後も爽快な気分にしてくれます。口のニオイを消す効果も期待できるでしょう。

4.湿潤剤
口に含んだ歯磨き粉が渇かないよう、適度に湿った状態をキープしてくれます。

5.粘結剤
粘度を高めて、基本成分と液体成分とが分離しないよう工夫されています。

6.着色剤
中身の色を調整する目的で用いられます。

7.保存料
中身の変質や経年劣化を防ぐ目的で用いられます。

 

薬効成分の働きとは?

「薬用歯磨き類」に分類される医薬部外品には、薬効成分が配合されています。
ドラッグストアなどで市販されている口腔ケアアイテムには色々な薬用成分が配合されており、むし歯や歯周病など期待できる予防効果は製品によって異なります。

 

むし歯予防に有効な成分
フッ化物を含む成分が配合されている製品には、歯質を強くして酸の影響を受けにくい状態にする効果が期待できます。
また殺菌や抗菌剤を含む製品であれば、むし歯菌の繁殖も抑えてくれるでしょう。
虫歯菌が産出する「デキストラン」という高粘度の成分は、酵素によって分解されやすくなります。むし歯菌の除去に一役買ってくれるはずです。

 

歯周病予防に有効な成分

歯茎の炎症を抑制しうる成分として、タイワンヒノキ材から抽出された成分である「ヒノキチオール」が挙げられます。消炎作用や殺菌・抗菌作用があるのが特徴です。
ほかにも腫れた歯茎を引き締める「塩化ナトリウム」、歯茎からの出血に効果的な「トラネキサム酸」などが挙げられます。
炎症に産生された分泌物の分解は「塩化リゾチーム」、歯肉からの出血を止めるには「酢酸トコフェロール」が効果を発揮するはずです。
市販の製品を購入することがあれば、ぜひパッケージの記載内容をチェックしてみてくださいね。

 

まとめ

歯磨き粉や洗口液などの口腔ケアアイテムには、色々な有効成分が含まれています。
口腔トラブルから身を守り、口の中を清潔に保ってくれるでしょう。
正しいブラッシングを行うことを前提とし、そのサポートとして歯磨き粉を取り入れてみてください。今回紹介した内容を参考にして、ドラッグストアなどで製品を選んでみてはいかがでしょうか。

虫歯ができるのはどうして?

2022年12月10日

Woman with toothache.

みなさんは、むし歯ができるメカニズムをご存知でしょうか?
口腔内のミュータンス菌が、プラークなどに含まれる糖分をエサにして酸を放出し、歯を徐々に溶かすというのが簡単な流れです。
原因や自宅でできる予防法などを紹介しますので、むし歯が頻繁にできる方や口腔トラブルを予防したい方はぜひ参考にしてくださいね。

 

主な原因

私たちの唾液内には、約500~700種類もの細菌が常在しています。むし歯の原因菌の一つである「ミュータンス菌」も、その例外ではありません。
産まれたばかりの赤ちゃんはミュータンス菌を持っていませんが、大人とのスキンシップや食器の共用などを通じてうつってしまいます。その状態で口腔内に糖が増えると、大切な歯が蝕まれてしまうというわけです。
口の中が中性に近い状態(pH6~7程度)でキープされていれば、基本的にむし歯になる心配はありません。
ブラッシングの目的は「汚れを落とすこと」だけだと思われがちですが、口の中を中性に戻す役割も果たしていることを知っておきましょう。

 

むし歯になりやすい口腔状態とは?

「衣食住」という言葉があるように、私たちの生活に食事は欠かせません。
「甘いおやつやジュースを避ければむし歯にならない」と考えている人もいるかもしれませんが、それは誤解です!
糖はご飯やパン、肉や魚、野菜などさまざまな食品に含まれています。
ミュータンス菌は砂糖だけでなく、ブドウ糖やショ糖などの糖類全般をエサとするためです。私たちが上記の食品を口にすると、そこに含まれる糖をミュータンスが取り込んで「グルカン」という物質を作り出します。
粘度が高いため歯にくっつきやすく、そこにさまざまな細菌が付着します。ブラッシングが不十分であると、最近はどんどん繁殖してプラークや歯石が増えていくでしょう。
そして、細菌から放出された酸が歯を溶かし続けます。
考えただけで恐ろしい話ですよね。

 

むし歯で歯が溶けていくのはなぜ?

歯は、表面側から順に「エナメル質」「象牙質」「歯髄」で構成されています。
硬い食べ物を食べ続けたり歯ブラシを強く押し当てすぎたりすると、エナメル質が徐々に傷付いて酸が付着しやすい状態になります。口の中が酸性(pH5.5前後)になり、エナメル質の内部にある成分が溶出して「脱灰」という状態に達するでしょう。
すると、クリーム色をしているはずの歯のところどころに白濁した部分ができます。それこそが「C0」と呼ばれる初期むし歯なのです。健康な歯特有の、輝きや透明感を失ってしまうでしょう。
この段階の歯は「要観察歯」とも呼ばれ、無理に治療をする必要はありません。しかしこの状態を長期間放置していると、少しずつ進行して歯が蝕まれてしまうでしょう。治療の際に広範囲を削らなければならず、治療費用も期間もかさんでしまいます。
状態を悪化させないためには、定期的な歯科検診の受診が欠かせません。ご自身の口腔状態を把握し、適切なケアに努めましょう。

 

自宅でできる予防法はある?

むし歯は、日々の生活習慣を見直すことである程度予防できます。すでに進行したむし歯は残念ながら治せませんが、健康な歯や初期むし歯の健康状態をキープすることは可能です。
具体的に行なってほしいのは、次の5点です。
1.適切なブラッシング方法を取得・実践する
2.唾液の分泌を促す
3.糖分の摂取をできるだけ控える
4.フッ素が配合された口腔ケアアイテムを使う
5.3ヶ月~半年に1回程度、歯科検診を受ける
健康な状態をキープするためには、正しいブラッシングでプラークを取り除くことが何より大切です。同時に唾液の分泌を促し、エナメル質の再石灰化を図りましょう。

 

予防歯科を知っていますか?

毎日ブラッシングしていても、なぜか定期的にむし歯になってしまうという患者さまが一定数いらっしゃいます。
確かに「毎日欠かさず口腔ケアをすること」は重要ですが、その質にも着目することが大切です。
歯間や歯周ポケットの中に残ったプラークや歯石まで、きちんと取り除けているでしょうか?親知らずの周りや、不正歯列によって歯が重なっている部分も要注意ポイントです。
患者さまによって「磨き方のクセ」というものがあるので、どうしても磨き残しは生じがちになります。
その部分の汚れを取り除くためにも、歯科医院で数ヶ月に1回歯科クリーニングを受けましょう。
歯科衛生士から、適切なブラッシング方法の指導も受けられるはずです。
必要に応じてワンタフトブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスといった口腔ケアアイテムを併用し、清掃効果を高めてくださいね。どの製品を使えばよいか迷ったときは、かかりつけ医に相談することをおすすめします。

 

まとめ

むし歯のメカニズムや予防法について、理解していただけたでしょうか?
むし歯は、決して侮ることのできない恐ろしい病気です。
正しい知識と口腔ケアの方法を身につけて、清潔な口腔状態をキープしましょう。

糖尿病と歯周病

2015年08月23日

糖尿病の人は、そうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという疫学調査が複数報告されていますが、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになってきました。

糖尿病と歯周病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられるようになってきたのです

 

相互関係にある、糖尿病と歯周病…歯周病治療で糖尿病も改善することもわかってきています。

 

糖尿病と歯周病の負のスパイラルを断ち切るには、内科医と歯科医の連携がとても大切です。血糖値のコントロールを行い、歯周病治療を行うことで糖尿病の改善にも繋がります。

まずは内科の主治医に紹介状を書いてもらい、歯周病治療をきちんと行っているナディアのような歯科医院を受診しましょう!

糖尿病と歯周病

2015年07月11日

糖尿病と歯周病は相互関係にあり、糖尿病の第6の合併症としても認定されている歯周病。

歯周病で炎症を起こしている歯ぐきは、手のひらと同じくらいの面積です。

歯周病菌は腫れた歯ぐきから容易に血管内に侵入し、全身に回ります。
血管に入った細菌は体の力(免疫力)で死滅しますが、歯周病菌の死骸の持つ内毒素は残り、血糖値に悪影響を及ぼします。

内毒素とは、細菌の細胞壁に含まれる毒物で、細菌が死滅しても毒は残ります(エンドトキシンとも言います)

血液中の内毒素は、脂肪組織や肝臓からのTNF-αの産生を強力に推し進めます。
TNF-αは血液中の糖分の取り込みを抑える働きもあるため、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを邪魔してしまうのです。

歯周病を合併した糖尿病の患者さんに抗菌薬を用いた歯周病治療を行ったところ血液中のTNF-α濃度が低下するだけではなく、血糖値のコントロール状態を示すHbA1c値も改善するという結果が得られています。

糖尿病は、通院して治療している人に予備軍を合わせると1400万人近くいます。
糖尿病がある人は歯周病になりやすく重症化しやすいですし、歯周病がある人は糖尿病の治療が困難になりやすいという相互関係にあります。

歯周病治療で負のスパイラルを断ち切りましょう!

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