2023年11月22日
患者さんは、30代男性。
右下の奥歯のあたりがしみると来院されました。

エックス線検査では、右下の親知らずと第二大臼歯が一部重なっているように見えます。
歯は前に倒れ込もうとする傾向があり、第二大臼歯が虫歯になってスペースができたので、そこに親知らずが倒れてきてめり込んでしまったと考えられます。
治療は、順序と時間が大切です。
まず親知らずを抜歯します。
すると親知らずがなくなったことで骨と歯肉が盛り上がってきます。歯肉で虫歯が覆われると綺麗に治せないので、抜歯して1週間後の糸取りの日に、第二大臼歯の虫歯の治療もして型取りまでしてしまいます。
さらに1週間後、詰め物を装着して、右下の治療が完了です。


この患者さんの場合、親知らずを抜くと「冷たい物がしみる」という症状が無くなったので、原因は親知らずにあったと考えられます。
親知らずが邪魔をすると歯磨きが上手くできないので、もっと早く抜くことで虫歯を予防できたとも考えられます。
親知らずの抜歯は10代後半から20代前半で行うことが多く、若年での抜歯は痛みが少なかったりより早く治るなど、メリットが多いことが知られています。
若い頃からの歯科受診で、一本でも多く健康な歯を維持しませんか?
治療期間:初診時から1ヶ月
治療料金:全て保険診療
2023年05月12日
歯の神経(歯髄)が細菌に感染すると、何もしなくても痛みを感じるようになります。
ですがその痛む歯は、本当に感染した歯なのでしょうか。

患者さんは右側の歯が何もしなくても痛むということで来院されました。
診査の結果、右下の6番目の歯の神経が細菌に感染していることがわかり、この歯の神経を抜くことで痛みをとりました。
最終的なお薬まで詰めたので、この後は被せ物を製作して装着する予定です。

この患者さんは当初、右上の歯も痛いとおっしゃっていましたが右上に治療が必要な歯はありませんでした。
これは関連痛と呼ばれ、“神経の勘違い”が原因で起こるとされています。上の歯の感覚を脳に伝える上顎神経と下の歯の感覚を脳に伝える下顎神経は、三叉神経として合流し脳に痛みなどの感覚を伝えます。上下の歯の感覚が最終的には同じ神経を通るので脳が勘違いを起こすのですね。
このように、口の中で起こる痛みのきっかけはたった1本の歯であることも珍しくありません。
早めの受診と定期検診で健康なお口を手に入れましょう。
2022年10月21日
患者さんは右下の奥歯がフロスが引っかかるのが気になるとの事で来院されました。
精査したところ右下奥から2番目、第一大臼歯に適合の悪い詰め物が入っていました。


適合の悪い詰め物が入っていると、汚れが溜まりやすく、虫歯や歯肉炎・歯周炎の原因にもなります。
上記を説明したところセラミックでのやり替えを希望されました。
セラミック治療の利点として、審美性、耐久力、接着力の良さや汚れの付きにくさがあげられます。
今回の治療では、適合をより良くするために口腔内スキャナーカメラを用いた光学印象と呼ばれる精密な型取りを行い、そのデータを元にCAD/CAMで詰め物を作成しました。

石膏や印象材などアナログの材料を使用しない事でヒューマンエラーや模型の変形が起こらず、より精度の高い治療を行うことが出来ます。
出来上がった詰め物をつける際にも、ラバーダムというゴムのシートを用い、当該歯を孤立、乾燥させることよって唾液の侵入や呼気による湿度の上昇を防ぐことによって接着精度の高い治療を行うことが出来ます。

ラバーダムを使用したセット前

セット後
詰め物:110,000円(税込)
型取り:3,300円(税込)
2022年10月7日
患者様は50代女性
セラミックが破折した歯の治療を希望し来院されました。
10年以上前にセットした左上の一番奥の歯のセラミック(cerec)が破折していたため、詰め物の再製を行うことになりました。
材料は1つ前の歯と同じゴールドでのやり替を希望されました。

まずは歯の汚れを除去し、形を整えて型取りをしました。

そして次の来院時にラバーダム装着下でゴールドの詰め物を装着しました。
ラバーダムを外したお口の中で見ると、こんな感じです。

ゴールドは保険外の治療ですが、保険内の合金に比べて以下の利点があります・
・金属アレルギーの可能性が低い
・虫歯が再発しにくい
また、セラミック(cerec)と比較してもゴールドは破折しにくいという利点があります。
しかし現在はE-maxというセラミックやジルコニアが普及し、従来のセラミック(cerec)よりも強度が高く奥歯の咬合力にも十分な強度を持っています。
ゴールドはE-maxやジルコニアに比べて以下のような欠点があります。
・審美性に劣る(金色)
・金属アレルギーの可能性が0ではない
どの材料で治療するかは患者様と相談して決めていくので、虫歯の治療や銀色の詰め物のやり替えなどお気軽にご相談ください。
来院回数 2回
Gold In 88,000円
型取り 3,300円
2022年04月8日
40代女性の患者様です。
平成30年10月に右下の痛みを主訴にご来院されました。
当時のレントゲン写真です↓

右下の親知らずの隣の歯が虫歯が進行し、歯の神経の方まで進んでしまっていたので、その日は麻酔を行い歯の神経を取る治療に入りました。
その後平成31年2月に治療の続きでご来院され、7月には歯の神経が入っている根管の長さを測るための器具を入れたレントゲンのお写真まで取る所まで治療が進みました。
その時のレントゲンのお写真です↓

そこから約1年経った令和2年6月に治療の続きを希望されご来院されました。
前回の治療からかなりあいてしまっていたので、前回来院された時には虫歯になってはいなかった歯の部分が虫歯になってしまっており、歯を残すことができないような状態に悪化してしまっていました。
その時のレントゲン写真です↓

1年前のレントゲン写真と比べると赤い矢印のところあたりから広範囲にかけて黒くなってしまっているのがわかります。
約1年治療をせずに放置された状態により虫歯になってしまっていました。
ここまで虫歯になってしまっている歯の部分が増えてしまうと、歯を残すことはできないとお話しましたが、
患者様は歯を抜いてしまうことはできるだけしたくないということで、そのままの状態で帰られました。
その後令和3年12月に残すことができないですと前回お話していた歯が痛みだしたということでご来院され、その日に歯を抜く治療をすることになりました。
その時のレントゲン写真です↓

歯が虫歯でほとんど残っていないことがわかります。
定期的に通って下さっていればこのように残すことができた歯を抜かなければいけないような状態にまで悪化することはなかったでしょう。
治療は継続して通院していただくことが非常に大事になってきます。
治療について流れや通院期間などご不明点がありましたらお気軽にご相談ください。
2022年01月15日
患者様は50代女性
以前より気になっていた下の歯の左右の銀歯を白くしたいとのことでご相談にみえました。
治療前の写真

左右の3本続きの銀歯は真ん中の歯が無く、前後の歯を削ってそれを橋渡しして3本分を一塊の金属で作り被せて修復するブリッジが入っています。
前後に歯がある真ん中の歯がなくなった場合、取り外し可能な一本入れ歯、上記のブリッジ、前後の歯を触らず抜いた場所の骨に直接チタンの人工歯根を入れるインプラントの3ケースより治療法を選択します。
この患者様は前回削ってある歯をそのまま利用して被せをセラミックブリッジにして欲しいとのことでした。
治療後の写真

左右の銀歯がセラミックになり、お口の中の印象が明るくなりました。
セラミックは表面がツルツルなので表面に歯垢が付きにくく、ご自身の毎日の歯ブラシケアもしやすくします。
まずは一度ご相談ください。
神経を取ってない生活歯のセラミックブリッジ
通院回数約3回
仮歯一本 ¥3,300〜(税込)
型取り ¥16,500(税込)
セラミックブリッジ ¥187,000(税込)×本数
2021年12月25日
患者様は20代男性
銀歯をセラミックに代えたいということで来院されました。

レントゲン写真撮影の結果、銀歯の下に虫歯がある事が分かったので実際の治療では銀歯を外した後虫歯除去を行ってからセラミックを装着しました。
治療前と治療後の写真です。
治療前

治療後

また、治療では写真のようにラバーダムを使用して接着を行っています。

ラバーダムを使用することで唾液など水分を遮断した状態で治療を行えるため、接着力が増します。
セラミックは保険外治療ですが、以下の様々なメリットがあります。
①見た目が良い
②汚れが付きにくい
③銀歯とは接着の仕方が違うため歯との境目ができにくい
④②と③より虫歯になりにくい
また、以下のデメリットもあります。
①保険対象外
②削る量が比較的多い
保険診療は何十年も前の治療をベースに決められており、最低限の治療とされています。
保険外診療では費用はかかりますが、最新の材料や器具などを用いて現状もっとも質の高い治療を受ける事が出来ます。
それぞれのメリットデメリットを知ったうえで選んでみてください。
費用と回数
来院一回目:虫歯除去と型取り 44,000円+3,300円(税込)
来院二回目:セラミックセット 44,000円(税込)
2021年07月23日
患者様は50代男性
下の銀歯のブリッジが気になり、綺麗な白い歯にしたいとのことでした。

術前
ブリッジは歯が欠損している両隣在歯に被せ物をし、欠損部のダミーの歯とひとかたまりの修復物を装着し、両隣の歯に欠損歯の分の噛み合わせる力を負担させる治療法です。
後ろの歯は神経があったのでそのまま削り、手前の歯は神経が既に無い歯だったので、神経の再治療を行い、新たな土台を建てました。

セラミック治療の一つ、ジルコニアという奥歯の噛み合わせの力にも耐えられる素材で一塊のブリッジを作り装着しました。

セラミックの表面は非常に滑沢で、見た目だけでなく、歯垢が付着しにくく、普段のブラッシングでの歯垢の除去もしやすく、歯と歯茎にも望ましい状態を保ち易いです。
また、歯としっかり接着することができるので、被せ物の下から2次むし歯を作る可能性を減らすことができます。
【費用】
精密根管治療 1本¥88,000〜(税込)
歯の土台(支台築造)1本¥27,500(税込)
歯の型取り 1回¥16,500(税込)
セラミックブリッジ奥歯3本合計¥561,000(税込)※1本17万円×3本
【来院回数】
精密根管治療 3回
歯の土台1回
歯の型取り1回
ブリッジセット1回 合計6回の通院
2021年05月14日
1990年頃まで、虫歯治療における修復材料として主流であったアマルガムという金属をご存知でしょうか。
アマルガムは水銀と他の金属の合金の総称です。
現在、主に用いられている金銀パラジウム合金と違い、有害性が報告されています。お口の中のアマルガムは長い時間をかけて溶けていき、水銀の成分が体内に蓄積されます。
金属アレルギーのリスクがある他、水銀には神経毒性があるため様々な不快症状(イライラ、頭痛、めまいなど)が発現する可能性があります。
また、アマルガムを詰めた部分から歯が少しずつ変色していく事もあります。
様々な問題を抱えるアマルガムですが、現在ではコンポジットレジンという材料に代替する事もできます。
コンポジットレジンは有害性が無いだけではなく、色も白いため審美的にも良好です。
もちろん保険診療でもコンポジットレジンへのやり替えを行うことは出来ますが、当院ではダイレクトボンディングという、より本物の歯に似せるために材料や器具にこだわった治療を行っています。
具体的には、数多くの種類のコンポジットレジンから自分の歯に合った色が選択出来たり、接着力を上げるために特殊な器具(ラバーダム)を用いたりして、精度の高い治療をしています。
もし、お口の中にアマルガムがありそうで、これを機にやりかえたいとお思いになられた方はお気軽にご相談ください。


写真の患者様は、お口の中の黒い金属(アマルガム)の見た目が気になる為、白いものでのやり替えを希望されてご来院されました。
保険内での治療を希望された為、保険のコンポジットレジンで行いました。
治療回数:1回
治療金額:1本当たり約1,000円(3割負担の場合)
2021年02月17日
むし歯治療の際、むし歯の範囲が大きいとインレーというかぶせ物をすることでなくなってしまった歯を補います。
当院で扱っているインレーには、メタルインレーとゴールドインレー、セラミックインレーの三種類があります。
・メタルインレーは保険でできて強度もありますが、見た目が悪く再度むし歯になりやすいというデメリットがあります。
・ゴールドインレーは保険がきかず高価ですが、強度が高く歯ぎしりや食いしばりのある方にお勧めです。
・セラミックインレーは見た目が良く虫歯になりにくいですが、保険がききません。
それぞれのメリットデメリットを比較しながら、自分に合った材料を選ぶことができるので担当のDrと相談の上決めると良いでしょう。
今回は、他院にて本来インレーで修復されるべき広範囲をコンポジットレジンで修復して再度むし歯になってしまった患者様です。
治療前がこちら

青矢印で示している歯が今回の治療歯です。もともとあったむし歯が大きかったうえにその下にむし歯が出来てしまったので、とても深いむし歯でした。次この歯がむし歯になってしまうと神経に到達してしまうため、むし歯になりにくいセラミックインレーを選択されました。
セラミックインレーは接着力が大切であり、水分は接着力を阻害します。
そのため当院ではラバーダムというゴムのマスクを装着して、セラミックインレーのセットを行います。

ラバーダムをした状態で、古い詰め物を取り除き形を整えた状態がこちらです。この後型取りをおこない、出来上がって来たe.max(イーマックス)というセラミックをセットします。

治療前は隣に歯にくっつくように詰め物がハミ出ていましたが、きちんとした形態にすることで歯間の清掃もしやすくなります。

ラバーダムを取るとこんな感じです。
見た目もバッチリで患者様は満足していました。
来院回数 2回
費用 8万円(税別)お支払いはクレジットカード・デンタルローンもご利用いただけます