2010年06月14日
さて、最近このブログの中で、何度か奥歯のインプラント治療のケースを出してきましたが、
今回はインプラントの上部構造(一番外に来る、歯の形をした被せ物)素材による違いを説明していきます。
インプラントの上部構造で、白いセラミックを用いたものというと、
メタルボンド(陶材焼付鋳造冠)とよばれる、金属のフレームの上にセラミックを盛ったものと
ジルコニアという、人工ダイヤを用いたセラミックのフレームの上にセラミックを盛ったもの
があります。
下の写真のなかで、矢印で指し示してあるのがインプラントです。
こちらの上部構造にはメタルボンドを用いています。

下の二枚が、以前もブログで紹介している写真なのですが、ジルコニアを用いた、オールセラミックの被せ物です。
(上と同様に、矢印で示した部分がインプラントです)

比べてみると、どうでしょう?
写真の明るさにやや違いはあるのですが、上の写真に比べ、下の二枚の写真のほうが、透明感のある自然な歯の色に仕上がっていると思います。
これは、インプラントの上部構造に限ったことではないのですが、ジルコニアのように金属のフレームを使わないオールセラミックスは、より天然の歯に近い色調を再現することができます。
金属の裏打ちのある被せ物は、その金属の色を消すため、色を遮蔽する工程があるからです。
今回のような奥歯は、お口の中では目立ちにくい部分のため、ぱっと見たところ、どちらの材料でも自然に見えるため、大差はないのですが、これが特に前歯の治療のときは大きな差になります。
2010年5月17日のブログでは前歯のインプラントのケースを紹介していますが、これもやはりジルコニアというフレームを使ったオールセラミックで仕上げています。
特に前歯のような審美性が要求される部位においては、このような材料の選択が望ましいと思います。
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価格は約45万円。
インプラント埋入による治療。
リスクとして、外科治療に伴い、痛み・腫れ・出血などの可能性がある。
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2010年06月7日
今回の症例は、左下の奥歯が2本なく、インプラント治療を希望されて受診された方です。
下の写真を見ると、確かに奥歯がありません

このように、奥歯2本がない場合、主な治療方針は、インプラントか部分入れ歯(義歯)になります。
入れ歯はやはり、取り外しが面倒、装着感が悪い、噛みにくい、食事がおいしくない。。。
などの理由から、嫌がられる方が多くいらしゃいます。
インプラントは、それらの問題点を解決するとてもメリットの大きい治療方法です。
自分自身の歯と同じようにしっかり噛む事ができ、取り外しも必要なく、審美的にも高い満足度の得られる治療です。
ただし、インプラントは、顎の骨に、チタン製のスクリューを植えていく外科処置になるので、
必ずしっかりとした診査診断が必要になります。手術も慎重に、適切に行われる必要があります。
術前にCTを撮影し、シュミレーションを行い、安全に手術を進めていきます。
下のレントゲン写真が、インプラントを植えたときのものです。
顎の骨の中に、ネジのようなものが写っていますが、これがインプラントです。
画面の左の方に写っているのは、お隣の歯です。

このチタン製のネジの上に、歯を作っていきます。
ただし、インプラントは、すぐに上の歯を作れるわけではありません。
インプラントが周囲の骨に馴染んでくっつくのを待つ時間が必要になります。
ケースにもよりますが、大体2ヶ月~半年くらい待ちます。
インプラントが骨としっかり結合した後に、アバットメントといわれる接合部が入ります。

右に写っているものがアバットメント、左に写っているものがその上に被せる上部構造(セラミックの被せ物)です。

口の中に、アバットメンが入ったところです。
真ん中に空いているのは、ねじの穴です。アバットメントはネジで止めます。
ここに、セメントで上部構造を被せていきます。そのため、ネジ穴が表に見えることはありません。

これが最終的な被せ物が入ったところです。(写真撮影時には、かみ合わせを見た赤い点が残っていますが…もちろん後で、ふき取ってあります。スミマセン)
インプラントの上部構造においても、様々な種類がありますが、この方は、金属のフレームではなく、ジルコニアといわれる、人工ダイヤのフレームを使っているので、透明感のある見た目にも自然な仕上がりとなりました。
インプラントは機能的にも審美的にも高い満足度の得られる治療といえます。
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価格は、約90万円。
インプラント埋入による治療。
リスクとして、外科治療に伴い、痛み・腫れ・出血などの可能性がある。
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