症例集 月: 2022年5月

ナディアパークデンタルセンター

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前歯と歯茎の隙間〜被せ物のやり替え〜

2022年05月27日

患者様は前歯の被せ物と歯ぐきの隙間が出てきたとのことで被せ物のやり替えを希望されました。

元々治療したのが30年近く前とのことで、その頃はまだオールセラミックで被せ物を作る技術がなく、金属の被せ物の表面に陶材を焼き付けるメタルボンドと呼ばれるタイプのセラミック治療が主流でした。
セラミックの裏打ちに金属があるので、透明感に欠けたり、歯ぐきの退縮により金属色が見えてくることがあります。

現在のオールセラミック治療はセラミック強度の向上により、被せ物の基盤となる部分からセラミックを使用し、より天然歯に近い透明度と色彩を再現することが出来るようになりました。
また、金属を使用しないので金属アレルギーの方にも安心して治療を受けて頂けます。
さらに、セラミックの表面は滑沢で金属よりもプラーク(歯垢)が付きにくく、清掃性にも優れます。

この患者様は右上の犬歯以外の前歯5本にメタルボンドクラウンが被せてありました。
歯の形態も若干大きく全体的に目立つ感じがするとのことで、歯ぐきのラインの調整と審美性の改善の為、前歯6本をオールセラミッククラウンで被せることになりました。

まず被せ物を外し、プラスチックで出来た仮の歯に置き換えていきます。
仮歯で歯の大きさや形、噛み合わせ等を患者様とご相談しながら数回調整していき、その間に神経のある右上の犬歯以外の5本の歯の精密根管治療(マイクロスコープを用いた根の治療)を行いました。
神経の治療が終わった歯にグラスファイバーを用いて歯の色に合った土台を作り、被せ物の為の型どりをします。
そして十分に調整した仮歯の形も技工士と共有し、最終的な被せ物が作られます。

前歯6本に色調、形、噛み合わせが全体的に口元と調和したオールセラミッククラウンを被せることが出来ました。​​​​​​

術前のレントゲン
  

術後のレントゲン

  

【費用】
精密根管治療 1本¥77,000〜(税込)
歯の土台(支台築造)1本¥27,500(税込)
歯の型取り 1回¥16,500(税込)
オールセラミッククラウン  6本 ¥1,320,000(税込)  ※1本22万円×6本

【来院回数】
精密根管治療 6回
歯の土台2回
歯の型取り1回
オールセラミック接着 1回  合計10回の通院

エキストリュージョン〜矯正的歯根延出〜

2022年05月13日

皆さんは歯医者さんで「この歯は抜歯です」と診断されたことはありますか?

歯を抜かなければいけない原因としてはいくつかあります。
①大きい虫歯で歯がほとんどなくなってしまっている
②歯が割れてしまっている
③歯周病で歯を支えている骨がなくなりグラグラになってしまっている
などの原因が挙げられます。

抜歯と診断された歯は、基本的には他の治療法がないため抜歯するしかないことがほとんどです。
しかし①②の場合は状態によっては抜歯せずに治療することができる可能性があります。

歯が骨より深い部分まで虫歯や破折などでなくなってしまっていると骨の中まで被せものを入れることができないため抜歯となりますが、なかには歯を引っ張り出すことで歯をなんとか骨の上まで出して被せものを入れることができることがあります。
その治療方法をエキストリュージョン(歯根延出)といいます。

今回は歯が割れてしまった患者様の歯を引っ張り出すことで抜歯せずに治療を行った症例をご紹介します。
「ピーナッツを噛んで歯が割れてしまい激痛がある」を主訴に来院されました。

麻酔をして割れた部分を取り除くと、歯が少し骨よりも深い位置までなくなってしまいました。

このままでは被せものを入れることができません。

患者様と抜歯をするか歯根延出をしてなんとか歯を残すか相談した結果、抜歯せずに治療を行うこととなりました。
まず神経がある歯だったので神経の治療を行い、その後矯正的歯根延出を開始しました。

割れた歯の前後の歯にワイヤーを取り付け、割れた歯にはフックを取り付け、ゴムを使って2週間かけて引っ張り出しました。

患者様は2週間の間口の中にワイヤーがある状態なので不快感は少しあるものの痛みはなかったとおっしゃっていました。
患者様によってはゴムを何度か交換する必要がありますが、この患者様の場合はすんなり歯が出てきてくれたのでゴム交換はしませんでした。
引っ張り出したあとは被せものを入れて治療を終えました。
もし抜歯と診断され迷っている方がおられましたら、このように抜歯せずに治療できる可能性があるのでぜひご相談ください。

かかる費用:保険外治療(5万円)←矯正的歯根延出のみの料金
かかる期間:2ヶ月(通院回数6回)(歯を引っ張り出す期間には個人差があります。)

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