ご自身の唾液でむせる機会が多い方もいらっしゃいます。
お口をどんな状態にすればそれを減らすことが可能か、ご説明します。
嚥下(えんげ)とは、食べ物などをごくんと飲み込む動作のことを指し、専門用語として使われます。
のどには、空気を肺へと取り込む気道と、噛んだ食べ物を唾液とともに胃へ運ぶ食道の2つの通り道があります。この嚥下のために、口の筋肉である咬筋や舌、喉の筋肉など、さまざまな筋肉を使用しています。
私たちは、これらの筋肉を使って嚥下反射を行っています。 口腔内に食べ物がない場合は、鼻や口から呼吸をしていますが、食べ物がある場合は、舌の奥にある喉頭蓋がしっかりと閉じることで、気道に食べ物が入らないようにしています。また、食べ物を飲み込む際には、喉仏が上に動き、食道の入り口を広げることで、食べ物の通過をスムーズにします。
自分の唾液でむせることは、食事をしていないのに起こると、できるだけ避けたいものです。しかし、唾液でむせる原因は加齢だけではありません。詳しくご説明いたします。
むせる原因として考えられるのは、加齢です。年齢を重ねるにつれて、口の中もさまざまに変化します。
・唾液の分泌量が減少してしまった
・咀嚼力が低下してしまった
・反射神経の反応が鈍くなってしまった
・筋力が低下してしまった
歯科医師の視点から考えると、特に気になる点は上記の2つです。
唾液が減少すると、食べ物をうまくまとめて食道に流せません。歯は噛んでちぎる・小さくすりつぶす役割がありますが、虫歯や歯周病による歯の本数の変化により機能が衰えてしまいます。滑舌が悪くなり、食べこぼしが増え、僅かなものでむせる状態が続く時、その原因が加齢によるものならばオーラルフレイルと呼ばれるケースもあります。
お口の機能が低下しているオーラルフレイルになると、噛みづらい食品が増えてしまい、食事の幅が狭まります。また、反射神経が衰えると気道に蓋をする役割の喉頭蓋の反応も遅くなり、筋力が低下すると、ごっくんと飲み込みにくく、タイミングがわからなくなります。その他には認知症や脳卒中、薬の副作用などでむせる場合があります。
通常、むせて咳が出る行為は年月を経過し、加齢により起こりうるものという捉え方でしたが、最近では、年齢の若い方にも症状が起こっています。スマホの普及、デスクワークによる姿勢の悪さ(ストレートネック)が主な原因です。肩が前に出て背中が丸まり、首が前に出ている状態は、喉頭蓋の働きを鈍くさせる角度になり、舌の動きも悪い状態です。
唾液でむせない身体に改善するためには、運動を行い、正しい姿勢を保つことが大切です。筋力を鍛えるのと同様に、口や喉を鍛える運動を行いましょう。また、スマホを見る際には顔の位置を上げて見るように注意してください。
口の鍛え方の具体的な方法としては、あいうべ体操を行い、お口の周りの筋肉や舌を大きく動かします。マスク生活で口を動かす習慣が減ってきていますので、口全体をきちんと鍛えるために歌を歌うなども効果的です。また、全体的な筋力の低下を防ぐためにも、ラジオ体操などやストレッチで体を動かしたり、偏りのない栄養の摂取できる食生活を送ることも、快適な日常を過ごすためにはポイントとなります。
若い人は水を飲む際にむせる状態を放置しても、「よくむせるなあ」と感じる程度でケアまで考えないかもしれません。ただし、一般的に高齢者がむせる状態を放置しておくと、唾液や食べ物や細菌が気管や肺に入ってしまう誤嚥になります。誤嚥を繰り返していると、誤嚥性肺炎を引き起こすリスクがあります。
肺炎は高齢者の死亡原因に関わるため、むせる状態を放置してはいけません。声が食前と食後で変わっている場合は、誤嚥性肺炎の影響が考えられます。必要な処置を行うようにしましょう。
NADYA PARK DENTAL CLINIC
〒460-0008 名古屋市中区栄3-18-1
ナディアパークビジネスセンタービル8F
「矢場町駅から徒歩5分」「栄町駅から徒歩7分」
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10:00~13:00 | ● | ● | ● | / | ● | ● | / |
14:00~18:00 | ● | ● | ● | / | ● | △ | / |
MEIEKI NADYA DENTAL
〒450-0002 名古屋市中村区名駅4-27-1
スパイラルタワーズB2F
「名古屋駅から徒歩1分」
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10:00~13:00 | ● | ● | ● | / | ● | ● | / |
14:00~18:00 | ● | ● | ● | / | ● | △ | / |