歯医者さんで勧められるがままに歯石除去を受けたら、歯茎から出血するケースは意外にも多く見られます。多くの人が、「『痛みはない』と言われていたはずなのに、処置が痛かった。恐らく歯科衛生士の技術があまりよくなかったのかもしれない……」と感じることもよくあります。しかし、歯石除去で歯茎からの出血が生じるのは、実は歯肉炎や歯周病が進行している証拠です。健康な歯茎の人々にとっては痛みを感じずに受けられる歯石除去処置でも、歯肉炎や歯周病の歯茎を抱えた人にとっては痛みと出血が生じることがあります。この記事では、歯石除去で出血が生じる原因、それに対する対策、および自宅で気をつけるべきことについてまとめて説明します。
1-1 歯石除去に伴う歯茎の出血は、歯茎の炎症が原因
歯科医院で歯石を取り除くと、時折歯茎から出血が見られます。これは歯茎が炎症を起こしている兆候であり、健康な歯茎であれば歯石除去時に痛みや出血は生じません。しかし、歯茎に炎症がある場合、歯石を取り除くことで歯茎の炎症箇所が刺激され、出血が生じることがあります。
1-2 歯石除去の際に歯茎を傷つけることは稀
歯石除去において、歯茎を直接傷つけることは滅多にありません。歯石を取り除く処置では、通常、歯茎に直接的な損傷を与えることはめったにありません。歯石は歯垢(プラーク・バイオフィルム)と同様に、細菌の塊です。歯石が長期間付着している部分には、免疫細胞である白血球などが炎症部位に集結して免疫反応を起こします。その際に出る毒素や細胞の死骸などが歯茎の炎症の原因となります。歯茎が炎症を起こすと、粘膜が弱まり、触れるだけで傷つきやすくなります。歯茎のこの状態の部分に対処する歯石除去によって、歯茎からの出血が発生するのです。
1-3 歯茎が健康であれば、歯石除去による出血は起こりにくい
「歯石除去は痛みを伴わない」というのは、歯茎が健康で歯周病や歯肉炎に罹患していない場合に当てはまります。しかし、日本の成人の約8割はある程度の歯周病や歯肉炎にかかっていると言われており、そのため歯石除去時に出血や痛みを感じる人が多いのです。
1-4 歯石除去の出血や痛みは警告のサイン
歯石除去時の出血や痛みは、歯茎が健康でないことを示す警告です。歯茎は歯周病や歯肉炎に侵されており、改善を求めています。この状態で適切な歯ブラシを使用し、歯茎を保護するように注意を払いましょう。
1-5 歯石除去後、数日間の出血は通常
歯石を取り除くことで、歯茎の炎症の原因を解消し、炎症が収まるまで数日かかることがあります。したがって、歯石除去後の数日間は出血が続くことがあるかもしれません。しかし、過度に心配せず、状態を見守るようにしましょう。
2-1 歯ブラシを柔らかいものに変えて様子を見る
歯石除去後、歯茎からの出血に気づいた場合、冷静に対処しましょう。歯茎の炎症が収まるまで、刺激を与えないようにすることが重要です。特に歯磨きに気を付けましょう。ブラッシングの際に力を入れがちですが、適切な歯ブラシの使用法の指導を受けるか、柔らかいタイプの歯ブラシを使用して歯茎を優しくマッサージするよう心がけましょう。
2-2 出血が数日で収まれば改善の兆候
適切な対処をすることで、数日後に出血が止まれば改善の兆候です。再び歯石が付着しないようにするためには、歯に歯石を溜めないことが重要です。歯石自体は歯磨きで除去できませんが、歯石の元である歯垢は丁寧に歯磨きを行うことで取り除けます。日常的なブラッシングに時間をかけ、適切に歯垢を除去する習慣を身につけましょう。
2-3 歯垢除去後に歯がしみる場合、歯磨きに注意
歯石除去後、歯がしみやすく感じることがあります。この症状も通常は数日で収まりますが、気になる場合は歯磨きに注意しましょう。硝酸カリウム入りの歯磨き粉を使用することをおすすめします。
2-4 1週間経っても出血が続く場合は歯医者に相談
歯石除去後、1週間経過しても出血が続く場合、単なる歯茎の炎症による出血でなく、別の原因が考えられます。このような場合、かかりつけの歯医者に相談しましょう。出血がなくても痛みが続く場合も同様です。
3-1 歯石を定期的に除去し過ぎない
歯石除去によって出血した経験がある場合、歯石除去を避けようとする方もいらっしゃいますが、この対応は逆効果です。歯石除去時に痛みや出血が生じた場合でも、歯茎を健康な状態に保つために、歯石が過度に蓄積しないように注意が必要です。歯石の過度な蓄積を防ぐために、3〜4ヶ月ごとに歯医者でのクリーニングを受ける習慣を持ち、歯垢や歯石の蓄積を防ぎましょう。定期的な歯科受診は虫歯の早期発見にも役立ちます。
3-2 腫れた歯茎の処置を避ける
歯茎に強い炎症がある場合、歯石除去を避けることも検討するべきです。炎症が激しい状態で刺激を加えると、処置後に腫れや痛みが悪化することがあります。強い炎症がある場合、最初に炎症を鎮めたのちに、歯石除去を行う方法が適切かもしれません。
3-3 処置担当者を慎重に選ぶ
歯石除去の処置を行うのは、資格を持つ歯医者や歯科衛生士のみです。歯石除去は技術と経験を要する処置であり、担当者によって差があることが一般的です。担当者を選ぶ際は、技術や経験を評価し、信頼できる歯医者を選ぶことが重要です。
日本の成人の多くは歯周病や歯肉炎を抱えているため、歯石除去後に出血が生じることは一般的です。出血を防ぐためには、歯茎を健康な状態に保つことが重要です。定期的な歯垢の除去と歯石の定期的な除去が必要であり、歯垢や歯石の蓄積を防ぐことが重要です。また、適切な歯磨き習慣を持つことも大切です。
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