ドラッグストアやコンビニで目にすることの多い「キシリトール入りの製品」。これまではガムが主流でしたが、近年はタブレットや飴など幅広い製品が市販されています。
そこで今回は、キシリトールの正体や期待できる効果などを解説します。ぜひ参考にしてくださいね!
キシリトールは糖アルコールの一種であり、いわば「天然の甘味料」。かつてはシラカバやカシの木から抽出される「ヘミセルロース」と呼ばれる糖分から作られていました。
現在はトウモロコシの芯やシラカバから作られるのが一般的で、むし歯の予防効果が実証された甘味料として市場に流通しています。
清涼感のある爽やかな甘さが特徴である一方、カロリーはなんと砂糖の約4分の3程度。お子さま向けの製品も市販されています。
キシリトールは10年以上前から、点滴に含まれる炭水化物として用いられている物質です。その安全性が評価され、1997年には厚生労働省から「食品添加物」として認可を受けています。
積極的に取り入れて構いませんが、糖アルコールには小腸で吸収されにくいという難点があります。一度に大量摂取すると、お腹を下す可能性があるので注意してください。もしお腹の調子が悪くなったとしても、一時的なものなので、基本的には様子を見ておけば問題ありません。
規定量を摂取し、口腔内の健康維持に努めましょう。
正しく摂取することで、次の3つのメリットが得られます。
1.爽快感を得られる
キシリトールを口にすると、スーッとした清涼感が得られますよね。これはキシリトールに、熱を奪うという性質があるためです。ミントのフレーバーが加わった製品であれば、清涼感がより際立つでしょう。
また先述した通り、甘みがあるのも大きな特徴です。砂糖と違って血糖値が急上昇する心配はないので、糖尿病の方も安心して摂取してくださいね(不安な場合は主治医に相談しましょう)。
2.むし歯予防を手助けしてくれる
キシリトールにむし歯の予防効果が見込める理由は、次の3点です。
①カルシウムと結合して再石灰化を促すため
②むし歯の原因となりうる酸が産生されないため
③むし歯菌の働きを抑えるため
歯を覆っているエナメル質は、むし歯菌が産生する酸に触れて脱灰が起こると、少しずつ溶けていきます。しかし唾液の作用で再石灰化が行なわれると、徐々に修復される仕組みです。ごく初期段階のむし歯であれば、その繰り返しによって自然治癒が見込めるでしょう。
再石灰化を促進する役割を果たすため、むし歯の予防効果が期待できるのです。
3.唾液の分泌を促進する
キシリトールは甘味料であることから、唾液の分泌を促す効果が期待できます。
十分な量の唾液が分泌されれば、口の中を洗い流して口腔トラブルから身を守ってくれるでしょう。
ガムの場合は「噛む」という動作によって唾液分泌が促されることもあります。
キシリトールの最大の魅力は「甘味料でありながらも、むし歯の予防効果に一役買ってくれる」という点です。
通常は口の中に常在しているミュータンス菌(むし歯菌の一種)が、食べ物に含まれる糖分をエサにして酸を産生します。
細菌が繁殖すると口の中が中性から酸性に傾いて、エナメル質が徐々に蝕まれていくでしょう。その結果、むし歯になってしまいます。
しかしキシリトールに含まれている甘味が、ミュータンス菌によって取り出されることはありません。酸を産生できず、分泌された唾液の作用によって口腔内を中性へと戻せるわけです。
実はキシリトールは、ホウレン草やカリフラワー、イチゴといった食品にも含まれています。しかし含有量が低いため、むし歯予防に有効であるとはいえません。
むし歯予防を目的とするならば、キシリトールが配合されたタブレットやガムを噛むのがおすすめです。
中には砂糖が含まれている製品もあるので、購入前にパッケージをよくチェックしましょう。
「どの製品を選べばいいかわからない…」
という方は、歯科医院に相談するのも一つの方法です。
歯科医院で取り扱っているタブレットやガムは、市販の製品よりもキシリトールの含有量が多い傾向にあります。きっとよいアドバイスを受けられるのではないでしょうか。
ドラッグストアなどで製品を選ぶときは、次の項目をチェックしましょう!
①キシリトールの含有量
100%に近ければ近いほどむし歯の予防効果が期待できます。
②ショ糖の有無
むし歯の原因となりうるため、ショ糖が含まれていない製品を選ぶのが理想です。
③酸の有無
柑橘系の香料が多く含まれた製品は、極力避けましょう。
キシリトールは、食後や間食のあとに摂取するのが理想です。毎日摂るのが効果的で、回数は多ければ多いに越したことはありません。
むし歯になりやすい方は特に、摂取を習慣化することをおすすめします。
まとめ
キシリトールには、さまざまな理由から虫歯の予防効果が期待できます。
食事や間食のあとは、積極的にタブレットやガムを取り入れましょう。成分をよくチェックし、砂糖が含まれていない製品を選ぶのがポイントです。
製品選びなどで困ったときは、かかりつけ医へ相談しましょう。
ナディアパークデンタルクリニックでも相談を承っていますので、何かあればお気軽にご来院くださいね。
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