毎日しっかりと歯磨きを行っているにもかかわらず、家族や身近な人から口臭を指摘されることがあるかもしれません。そのような場合、歯石の蓄積が原因である可能性があります。
今回は、歯石が口臭を引き起こす理由と、歯石による口臭を防ぐための対策についてお話ししていきます。
歯石は、歯の周囲に蓄積された歯垢(プラーク)が唾液中のミネラル成分によって硬化したものです。
歯垢は細菌の集合体であり、虫歯や歯周病の原因となりますが、歯石になるとその毒性は失われます。しかし、歯石の表面は凹凸があり、そのため再びプラークが付着しやすくなり、結果的に毒性を持つ状態に戻ります。
プラークの段階では、適切な歯磨きによって除去可能ですが、歯石になると歯磨きでは取り除くことができません。また、歯石の表面に付着したプラークや細菌は、歯石の内部にも入り込んでいるため、歯ブラシでは除去できません。
このため、どれだけ歯磨きを頑張っても、歯石が存在する限り口臭の改善は難しいのです。
歯石は歯の表面に付着するものですが、実際には私たちが目にする歯石はその一部に過ぎないことが多いです。これは、歯周病が進行することで歯茎の溝が深まり、歯周ポケットが形成され、その内部にも歯石が蓄積されるためです。
歯周ポケットの内部は空気が乏しく、嫌気性菌が繁殖しやすい環境となります。これらの嫌気性菌は悪臭を伴うガスを生成し、特に口臭が悪化する原因となります。
さらに、歯周ポケット内の歯石はそのポケットを覆うように存在し、嫌気性菌にとってより快適な環境を提供することになります。その結果、嫌気性菌はさらに増殖し、口臭は一層ひどくなるのです。
歯石は、歯茎の外側に存在する場合は目視や舌で触れることで確認しやすいですが、歯茎の内部に付着しているかどうかは自分では判断が難しいものです。
しかし、成人においてはこの部分に歯石が蓄積されている方が多く見受けられます。
歯石は個人差があるものの、誰にでも付着する可能性があります。そのため、口臭を防ぐためには、定期的に歯科医院を訪れ、歯石除去を行うことが重要です。
歯石が蓄積されると口臭が発生しやすくなるため、口臭予防や歯の健康を維持するためにも、定期的に歯科で歯石を除去することを心がけましょう。
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