歯を削ることなく白くするホワイトニングは、歯を傷めることなく白さを実現できる人気の手法です。しかし、ホワイトニングによって白くならないケースや、注意が必要な状況も存在します。

今回は、ホワイトニングで白くできない歯についてお話ししていきます。

ホワイトニングで白くすることができない歯

以下の状況では、ホワイトニングによって白くすることはできません。

人工材料が入っている歯

全体的に被せられた歯や部分的にレジン（歯科用プラスチック）が使用されている場合、その部分にホワイトニング剤を適用しても効果がありません。このような状況では、被せ物や詰め物を再度交換する方法で対応する必要があります。

神経のない歯

神経を失った歯は、徐々に黒ずんでいく傾向があります。この黒ずみは歯の内部から生じるものです。ホワイトニングは主に外部の変色や着色に対して効果を示すため、神経のない歯を白くすることは不可能です。このような場合には、内部からの漂白や被せ物によって対応するのが一般的です。

重度に変色している歯

重度の歯の変色、特にテトラサイクリン歯のような場合、変色は歯の内部から生じているため、ホワイトニングだけでは十分な効果を得ることが難しいです。しかし、比較的軽度の変色に関しては、ホームホワイトニングを行うことで、薬剤が深部に届きやすくなり、一定の効果を期待できることがあります。

重度の変色を改善したい方には、ラミネートベニア（セラミックを歯の表面に貼り付ける方法）や、セラミッククラウンを使用する方法が推奨されます。

ホワイトニングで注意が必要な歯

亀裂が多く入っている歯

歯の表面に亀裂が生じることは一般的ですが、亀裂の数が多かったり、状態が深刻な場合には、内部に薬剤が浸透し、痛みを引き起こす恐れがあるため、注意深く対応することが求められます。

知覚過敏のひどい歯

普段から冷たいものに対して歯がしみる知覚過敏をお持ちの方は、ホワイトニングを行っている最中やその直後に、強いしみる感覚や痛みを感じることがあるかもしれません。知覚過敏のある方には、薬剤濃度が低いホームホワイトニングを推奨いたします。

虫歯や歯周病のある歯

虫歯や歯周病がある場合には、その治療を行わずにホワイトニングをしてしまうと、歯に思わぬトラブルが起こる可能性があるため、まずはしっかりと歯の治療を行い、その後にホワイトニングを行う必要があります。